2025年6月7日と8日で米子と岡山を回ってまいりました
初日の6月7日は米子のシンワンメイクさんです、この記事はピアノのオガタが書いています
シンワンメイクさん出演までの経緯
シンワンメイクさんへ出演できたのは、2024年10月にFlying BirdさんとSilver Wingsで共演させていただいたのかきっかけです、Flying Birdさんは鳥取県を中心に活動されているデュオユニット(Vocal Emmaさん、ギター多々納 さん)で、そのとても透明で素敵なステージに感激して、終演後にこちらから
「是非鳥取に呼んでください!!!」
となかば一方的にお願いしてしまいました、そんな無理やりなお願いは普通はスルーされるのが当たり前なんですが、
なんと! 今年の2月にFlying birdさんより、6月7日に米子シンワンメイクさんに一緒に出ませんかとの嬉しいお誘い頂いたのです!
もちろんほぼ即答で
「よろしくお願いします!!」と回答いたしました
その後は、対バンに名乗りをあげて頂いた「かも虫」さんのギタリスト横山さんとシンワンメイクオーナーの黒田さん、そしてFlying birdさんの見事な連携プレーであっと言う間に詳細まで決まりました
本当にありがとうございました!!
いざ米子へ!
ピナコテカの遠隔地ライブは原則現地集合・現地解散なので、アンディさんとは会場のシンワンメイクさんで落ち合うことにしました
オガタは、前日まで急性前立腺炎による39.5℃の高熱が3日間続いていて、当日7日朝に熱が下がっていなくても平熱のフリをしてなにがなんでも米子にいくぞと気合を入れていたのですが(実際は39℃の熱だと立ち上がれないのでドタキャンの可能性大でした)、当日朝の体温は36.7℃!! まさに気合で熱を下げ、なんとか歩くことも出来るようになり無事?米子へと向かったのです
ただ、やっぱりフラフラするし、直前の一週間はピアノを触っていない=練習が出来ていない という非常事態には変わりありません、せっかく呼んで頂いたライブなので自分の体調が原因できちんと演奏できないとなるとヤバイので取り敢えず「気合だけはMAX」で米子入りしました、練習不足についてはこれまでに蓄積してきたモノを信じてやるしかないな! という心持ちでしたね
アンディさんは、いつも通りご当地観光(境港の妖怪さんたち)を楽しんだあとシンワンメイクに向かいました

シンワンメイクさんへ~劇場型ライブハウス
16時すぎにシンワンメイクさんへタクシーで移動、タクシーを降りて見た風景は、右手に川(実は運河で海水だそうです)、そして昭和の劇場のような建物の前には緑のじゅうたんのように綺麗に草が刈られた広場スペース、遠くに大山の姿を拝むことができます


この佇まいだけでタダモノではない感があふれています

早速中に入ってみると、アンディさんは先に到着していました、そしてオーナーの黒田雅彦さんにご挨拶、、なんて言ったらよいのだろう、アーティストとかクリエータとかそんな枠に入りきらない「自由」を全身にまとったスナフキンのような人がそこにいらっしゃいました
しばらくすると、Flying birdのEmmaさん、多々納さん、そして「かも虫」のメンバーの皆様が続々と入って来られました、皆さんカッコイイんです、もちろんみなさんまだ普段着なんですが、生き様が滲み出ている感じがします、もしかしたらこの場所シンワンメイクだからこそ、そのように見えたのかも知れません
そして、ひと際目立つ衣装の方が現れました! 黒田さんの奥様、米子こめぐさんです、私は一瞬でそのお姿に魅了されました、こめぐさんが立っているその場所が劇場の舞台になってしまう、それほどの存在感と包み込むようなオーラ、前日まで高熱でうなされていたことも忘れてますますシンワンメイクの雰囲気に吸い込まれていったのです
「かも虫」さんのステージ
今回のシンワンメイクでのライブを企画・調整頂きました「かも虫」さん、最初に「かも虫」と聞いた時に思い浮かべたのは巨大なカマドウマのような虫さんでしたが、実際にはとてもかっこいいヒーローのような「かも虫」さんでした
かも虫というバンド名は、もともと蒲原(かもはら)さんと高虫(たかむし)さんが二人で始めたバンドだから「かもむし」→「かも虫」とのことです、いい名前ですよね~、絶対忘れない名前です
メンバーは、ボーカルの蒲原さん、ウッドベースの高虫さん、エレキギターの横山さん、ドラムのKさん(女性)、アコギ&ボーカルのNさん(女性)の5人編成

ジャンルで言うと、日本語ジャンプブルースになるのかな。。。まぁジャンルなんてどうでも良くて、とにかくカッコイイ!!
心地よいリズムとシンプルで力強いバッキングに乗せて蒲原さんが歌う「かも虫」のステージは最初から客席を巻き込んでシンワンメイクを劇場にしてしまうのです

劇団のようなバンドとでも言うのでしょうか、日本語のオリジナル曲を聴かせてくれるのですが、一曲一曲が演劇のワンシーンで、全体で一つの舞台を観ているような感じがしました
「よそはよそ、うちはうち」という曲が個人的にはとても印象に残っています、本当に大切なことですよね、蒲原さんがMCでこの曲を選んだ理由をおっしゃっていました
「Flying birdさんとピナコテカはお洒落な音楽だけど、そして我々はお洒落な音楽は出来ないけど「かも虫」の音楽を胸を張って演奏しよう」
確か、こんな感じだったと思います、いやいや「かも虫」さんが一番お洒落だったと思いますけど~?
とにかく演出も含めて全てが「カッコイイ!!!」んです
アンディさんと
「かも虫」さんは絶対にトリですよね~
と話してましたw
終演後のおしゃべの中で、かも虫さんは、メンバーそれぞれが忙しくてなかなかライブに出演できていないとのことでした、そんな中でも、今回のように地方から来たミュージシャンがシンワンメイクに出演する時にはそれを迎え撃つ?!番人としての役割を担っておられるそうです、今回メンバーの皆さんのスケジュールが空いていて本当に良かったです!!
Flying birdさんのステージ
Flying birdさんはピナコテカの地元京都で何度か聴かせていただいていますが、米子で聴くFlying birdさんはどんな感じなのでしょうか、もちろん演奏スタイルや楽曲は京都と変わらないものですが、やはり “米子の空気” の中で演じると何かが違う気がしました

Emmaさんの優しくも深くて力強い歌声と多々納さんの多彩なギターで洋楽のカバーを聴かせてくれます、Emmaさんは英語が母国語なので当たり前ですがとてもスムーズな発音ととろけるようなボイスで聴く人を一瞬で惹き付けてしまいます

今回も少し古めの名曲のカバーをたくさん聴かせていただきました、Flying birdさんの演奏はアートですね、名曲のカバーなので、聴く人はまずその曲に対するイメージを頭の中に描いてから演奏者の音を聞いていくんだと思いますが、Emmaさんと多々納さんは原曲のイメージを壊さずにそこにFlying birdのお二人の「人間味」を味付けして音を紡いでいくので聴く人はすんなりと曲に没入できるしFlying birdだけが持つキャラクター性も同時に伝わるので唯一無二のカバーとなるのだと思いました
ピナコテカのステージ
かも虫さんの生き様が刺さるステージで大盛り上がりし、Flying birdさんが洋楽の名曲を独自の世界観で表現して客先がノックアウトされた後に、ピナコテカの出番です、はい、大変難しかったですね~ でも、舞台転換している間に客席も少し落ち着いてきてなんとかスルっと始めることが出来ました

大正・昭和初期の詩人-中原中也-の詩を歌うピナコテカ、12曲のレパートリーのうちアンコールを含めて7曲演奏させていただきました
セットリスト
- サーカス
- 春宵感懐
- 詩人の嘆き
- ゴムマリの歌
- 浮浪
- 酒場にて
- (アンコール) 汚れっちまった悲しみに
客席にいらっしゃった「かも虫」さんやFlying Birdさんに盛り上げて頂き、最初は少し硬さもありましたがだんだんと中原中也の世界に没入することができました

春宵感懐でBメロの途中までいってやり直すという前代未聞の大失態を演じましたが、それ以外は大きな破綻は起きず、病み上がりもあってピアノのビート感がいまいち出せなかった部分はアンディさんが歌でカバーしてくれたこともありなんとかギリギリ踏みとどまれた気がします
演奏が100%でなくても中原中也の世界を描くことは出来る! ずっとそう思いながらピアノを弾いてたんですよね
シンワンメイクさんのハコ全体の雰囲気とその場にいらっしゃった方々のオーラとピナコテカの音楽が混ざり合って中原中也が現代に舞い降りてくる、そんなことを思いながら。。。
ただ、やはり体調万全でもう一度この場所に戻ってきたいなと思いましたね
夢のような終演後
終演後、集合写真などを撮影し、お客様が家路につかれた後、オーナの黒田さんと奥様のこめぐさん、そして勝手知ったる「かも虫」のメンバーの方々によりあっと言う間に打ち上げの会場設営が終わりました

ほぼ真っ暗の中で打ち上げです! こめぐさんが作った美味しい料理と巨大なバースデースイーツ(かも虫のNさんがお誕生日)を囲んで乾杯!! そして和やかに、賑やかに時間が過ぎていきました、初対面同士ですのでおしゃべりするネタはなんぼでもありますが、そのネタのうちほんの一部だけお話しただけでお開きの時間となってしまいました


タクシーを呼んで外へ出ると、目の前の運河が黒い海面を覗かせています、そして静寂。。。。
夢のような一日が終わりました
「かも虫」さん、Flying birdさん、黒田さん、こめぐさん、そして何よりたくさんご来場いただきましたお客様!! 本当にありがとうございました!! もっと表現を磨いてまたいつか必ずお邪魔いたします!!!
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